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人情の機微を知る

◆ はじめに
 “衣食足りて礼節を知る”ということをよくいうが、もともとは、“倉廩(そうりん)実ちて礼節を知り、衣食足りて栄辱(えいじょく)を知る”というのだそうで、中国古代の斉(せい)の国の大政治家、管仲(かんちゅ)の言葉だという。  

 管仲は、道義道徳が衰えれば国は滅びるとしてこれを大いに重視したが、同時にそれは、倉に穀物が満ち、人民が衣食に事欠かないという、物の面での豊かさに裏付けられなくてはいけないということを考えたわけである。そこで、道義道徳を奨励する一方、経済を盛んにし、国を富ませることを図った。その結果、一小国であった斉をして、天下の最強国にまで発展せしめたのである。

 管仲という人は、結局、人間というものをよく把握していたというか、いわゆる人情の機微に通じていたのだと思う。だから、こういうことをいったり、行なったりできたのだろう。実際 彼は、「政令というものは民心にそって下さなくてはならない」といい、すべての政令をわかりやすく、実行しやすいものにしたとも言われている。

◆ 人間の心
 人間の心というものは、なかなか理屈では割り切れない。理論的には、こうしたらいい、こういうことが望ましいと考えられても、人心はむしろその反対に動くということもあろう。

 一面まことに厄介といえば厄介だが、しかしやはり、ある種の方向というか、法則的なものがあるとも考えられる。そうしたものを、ある程度体得できるということが、人情の機微を知るということになるのだと思う。

 そのような人情の機微を知ることなしに、理論や理屈だけで事をなそうとすれば、人々の反発を受けたりして、なかなかうまくいかず、労多くして功少なしという結果に終わりがちである。また、そうしたことを無理に力をもってやろうとすれば、人々を苦しめたりすることにもなると思う。古来、すぐれた政治家、すぐれた指導者といわれる人の業績を見ると、やはり皆こうした人情の機微というものをよく把握し、それに則して物事を行っているようである。

◆ 人情の機微を知る
 人情の機微を知るためには、やはり何といっても、いろいろな体験を通じて、多くの人々と実際に触れ合うことである。その意味で、指導者になる人は、できる限り実社会の体験を多く有している人が望ましい。そうした体験に立ちつつ、常に素直な目で、人間というものを見て、その心の動きを知るということが大切だと思う。

◆ まとめ
 機微とは「容易には察せられない微妙な事情」の意味です。
人情の機微を知ることの対象範囲は社内組織にとどまらず、むしろ社外(顧客、社外提携先スタッフ等)に広げることが必須です。

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