◆ はじめに
相続税の申告に当り、必ず必要な書類として戸籍謄本があります。今回は戸籍と戸籍謄本についてご紹介します。
◆ 戸籍とは
戸籍とは、国民各個人の親族的身分関係をはっきりさせるため、これを記載した公の台帳を言います。ただ、自分の親族的身分関係をはっきりさせようと戸籍を取得しても、そこに先祖全てが記載されている訳ではありません。祖父母の名前を知りたければ、父親や母親の戸籍で確認する必要があります。
◆ 先祖の戸籍
では先祖の戸籍はどこまでも遡れるのでしょうか。戸籍制度は古代から存在していましたが全国で統一されたのは明治5年です。最初に作られたこの戸籍はこの年の干支にちなみ『壬申戸籍』と呼ばれました。しかしこの戸籍には差別問題につながる記載があったことから、昭和44年以降は閲覧禁止となり、除籍謄本の交付も行われていません。現在入手可能なのは『壬申戸籍』に続く『明治19年式戸籍』、『明治38年戸籍』、『大正4年式戸籍』、『昭和23年式戸籍』、『平成6年式コンピュータ戸籍』の5種類となっています。この5種類の戸籍を遡ればある程度先祖の名前を知ることは可能です。
◆ 原戸籍と現戸籍
5回の戸籍の改正に伴い、古い戸籍は新しい戸籍に改められることになりました。改められる前の戸籍は『改製原戸籍(かいせいはらこせき)』、改められた戸籍を『現戸籍』と言います。
◆ 戸籍謄本と戸籍抄本
戸籍の記載内容を全て記載されているもののコピーが『戸籍謄本』であり、一部が記載されているもののコピーが『戸籍抄本』となります。
◆ 除籍簿
戸籍に記載されている家族が死亡や婚姻、離婚などによって全員除籍して戸籍簿から除かれると役所で保管されることから『除籍簿』と呼ばれます。
◆ おわりに
相続税の申告で必要になる書類として、一般的に『戸籍謄本』と言うことが多いですが、厳密には以上のような違いがあります。ASKでは難解なことも出来るだけ分かりやすい言葉でお伝えするように常に努力をしています。それでもよくわからないとお感じになられたら担当者に遠慮なくお尋ねください。頂いた質問は将来の成長の糧と考えています。