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アスクコンサルティング株式会社

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有限会社伸和工藝所

店舗写真

有限会社伸和工藝所は、愛知県春日井市でトヨタ車に搭載するスイッチ部品の加飾などを主力とする会社である。
現社長のご子息である誉将さんで3代続く企業だが、その誉将さんは、取引先の役員から一目置かれる程の塗装技術を持ち合わせている。 どのように業と経営の両輪を承継していくのであろうか。林社長にそのお考えを伺った。

きっかけはリーマンショック

――伸和工藝所は、林社長で2代目、ご子息の誉将さんで3代目となる会社です。来期で創業50年を迎える愛知でも老舗の塗装メーカーですが、最初から事業を継がせようと考えてご子息を迎えいれたのですか。

林 : いいえ全く考えていませんでした。しかし、リーマンショックですべてが変わりました。売上が去年の6分の1までに減って正直倒産も頭をよぎりました。 そんな中で少しでも経費を圧縮しようと考えた結果、当時就職活動をしていた息子を急遽呼び寄せ従業員として雇い入れました。そういう意味では、リーマンショックがなければ今の息子は無かったかもしれません。

2代目3代目

2代目3代目

3代目としての自覚

――それでは、誉将さんは、最初から林社長の後を継ごうと決めていたのですか。

誉将 : 私は、林の考えとは違い、この会社を継ごうと決めていました。リーマンショックでその次期が早まっただけです。 私は、欲しいものがあると必ず手に入れたくなります。だから、会社を大きくしてその欲しいものを手に入れてやろうと考えていました。

誉将さん

誉将さん

「うちについて来れば絶対に間違いがない」

――林社長は、伸和工藝所の社長になられる前は、王子製紙に勤めていたとお聞きしました。王子製紙を辞められてお父様の会社に入ったきっかけを教えていただけますか。

林 : 弊社は1967年、私が中学1年の時父が脱サラで始めました。わたしも高校を卒業し王子製紙に入社しました。その頃の私はまったく、父の事業を継承することは考えていませんでした。 その後、9年9カ月で王子製紙を退職しました。そして、ちょうどその時、取引先の当時の課長とたまたま話す機会をいただきました。 その時の言葉が、「うちの会社についてくれば絶対に間違いがない!お前が次の林工藝所を継げ!」でした。その時、初めてこの会社を継ぐという気持ちが芽生えました。

林社長

林社長

決め手は実習生でも塗装ができる「管理システム」

――御社がプラスチック成型塗装などで有名な企業様と長年に渡っておつきあいできている最大の魅力は何ですか。

林 : 一言で言うと技術力に裏付けされた管理システムです。弊社の塗装現場は実習生が管理、作業しています。 得意先が監査に見えてよく驚かれますが、今日入社した人間でも今日から塗装作業ができることを目指し、実現しています。これはすべてにおいて数値管理ができているからです。

研修生が作業

研修生が作業

王子製紙で培ったロボット制御技術

――塗装作業というとどうしても職人というイメージがあり、習熟にはそれ相応の期間が必要だと思います。なぜ、実習生が現場の管理や作業ができるのでしょうか。

林 : 私が父の跡を継いだ1984年ごろ塗装は職人が手作業で行っていました。当時塗装ロボットはありましたが上手く使いこなせる企業はありませんでした。 しかし、私が王子製紙で働いている時代、プラントの自動制御を扱う計装システムに携わっていた為、ロボットを導入することに抵抗は全くありませんでした。 自動塗装装置を導入し、職人の勘に頼らず、数値で管理する塗装をめざし、初めてロボットを導入しました。 このロボット導入が大成功を収めました。当時ロボットを使いこなせるところはありませんでしたので、デンソー、SONY、その他多くの会社がロボットでの塗装管理に興味を示されました。 この管理の方法は現在も活きています。よって、今日来た実習生でも塗装が出来るのです。そして、最近は空気の流れによる不良率の低減に取り組み成果を出しています。

工場内部

工場内部

ヒントは趣味の「F1」

――ロボット制御のプログラムは、今では誉将さんがやっていますよね。誉将さんがプログラムを組むようになってから、飛躍的に生産性が向上したそうですが、実際どのくらい向上したのですか。

誉将 : 塗装時間は約半分。使用する塗料は3割減。不良品の数は半減しました。

――すごい数字ですね!その秘訣はいったい何ですか。

誉将 : F1ですね。F1の中継を見ていて雨の日にダウンフォースの時に発生する霧を見て「これだ!」と思いました。この霧の形で塗装出来れば無駄が無く塗装が出来ると確信しました。 そして、F1のピットのように作業を分担させようと考えました。ピットは、タイヤを外す人、ボルトを外す人、など一つの作業を複数人でやるんですね。それぞれの人間が一斉に仕事をしてそれを一斉に組み合わせれば短時間で終わるんです。 これは絶対製造業に使えると確信しました。今までの職人は、言葉は悪いですがやってればいいやみたいな考え方の人が多かった。でも、僕らみたいなリーマンショック後の人間は、「一個いくらで何秒で塗れ」という指示が元請から来るんです。 今までのやり方では到底生き残れません。

ダウンフォースイメージ

ダウンフォースイメージ

成功するまでやる

――このような発想は、斬新すぎて他の従業員がついてこなかったのではないですか。

誉将 : 最初は、従業員とバチバチでした。でも僕の頭の中では完璧に出来上がっているんですね。成功が。だから確信を持って従業員に指示をします。でも、上手くいかないとほらやっぱり失敗したと言われる。違うんです。 失敗した時に諦めるから失敗なんです。成功するまでやれば失敗ではなく成功への通過点なんですよね。それが分かるまでは、従業員と議論しまくりでした。 でも、一回成功を体験させていい思いをさせると誉将さんが言っていることはホントなんだなと思ってもらえて言うことを聞いてもらえるようになりました。 今では、「今はキツイけどその後はパラダイスが待っているから」と言ってついてきてもらっています。(笑)

林社長と誉将さん

林社長と誉将さん

特許を活かした新規事業

――林社長は、いろいろな発明が得意ですよね。以前は衣服の埃を除去する携帯クリーナー「petapeta」など特許をとられていました。今後は、何かそのようなものをお考えでしょうか。

林 : 弊社は10年ほど前に塗装スラッジの固形化で特許を取得し、そして最近は新しい構造の塗装ブースで特許を取得いたしました。塗装スラッジを固形化することで塗料の廃棄にかかっていたコストを大幅に削減できるようになります。また、新しい構造の塗装ブースは今まで非効率であった塗装ブースの概念を覆し、塗装シャワーの目詰まりがなく、音も静かなブースを発明しました。今後はこの特許を商品化し、弊社の技術と合わせて業界の発展に貢献したいと思っています。

塗装ブース

塗装ブース

塗装だけでは生きていけない

――それでは、最後に林社長と誉将さんにお聞きします。今後御社をどのような会社にしていきたいとお考えですか。

林 : 塗装・レーザーというものはずっと続けていこうと考えています。しかし、これだけやっていてはこれ以上大きくはなれません。よって、別の収益の柱として特許を活かした商品を売り出してアイデアを売るという商売をしたいですね。

誉将 : この塗装やレーザーという本業で一番を目指したいと思っています。やるからには一番になりたい。二番は嫌ですね。

2代目3代目

おわりに

――それでは、インタビューも最後になってきました。この記事をご覧の皆様にこれだけは言っておきたいというものはございますか。

林 : 私もこの業界で34年が経過し、今は私の息子が私以上の技術力を持つに至りました。 世代交代の集大成として、3年後をめどに会社を移転し、そこに今迄の塗装工場にはない全く新しい発想の塗装工場を建てる予定です。私の父が塗装を始め、私が塗装のデジタル化を進め、次は私の息子が塗装業界の標準化を進めていきます。 これからも進化を続ける伸和工藝所にご期待ください。

――他にASKに変わって良かったことを担当者がとびっきり喜びそうな事例で教えてください。

林 : ASKさんの前の税理士事務所では、税務処理は事後処理の受身的な業務だという印象でした。節税に対しても大したアドバイスもなく経費の幅も四角四面で、私の中で税理士はアドバイザーとかパートナーという認識はありませんでした。 その割には料金も高いと感じていました。そんな中でASKさんと出会いました。正直、受け身ではなく攻撃的な印象を持ちました。 毎月の試算表と過去とを比較して、これからの受注状況から将来を予測し、どの経費が増えるのでどのように節税するのかまで指導していただき、おかげでずいぶんと節税できています。ASKさんと出会い税理士に対する認識が変わりました。

――最後に、ASKに対して超辛口なご意見をお願いします。

林 : とくにはありません。たまには、加藤先生も遊びにお越しください。

――ありがとうございます。これからも我々全力で御社のサポートをさせていただきたいと思います。これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。

林社長

取材後記

生き馬の目を抜く塗装業界にあって創業50年を迎えようとしている伸和工藝所は、業界の先端を目指すことで今まさに3代目にバトンタッチしようとしている。 笑いながら穏やかに「死に損なった」と話す林社長のその言葉の裏には様々な苦悩と希望が垣間見える。 独創的な発想をする3代目の語りは、ただの29歳の空事ではない。しっかりと現実を見据えたビジョンを持っている。伸和工藝所は当分「死に損ない」続けるだろう。

取材担当 三宮

企業情報

店舗写真

会社名:
有限会社伸和工藝所
住 所:
愛知県春日井市高蔵寺町北一丁目225番地
電 話:
0568-51-1148
FAX:
0568-51-3114
H P:
http://www.shinwakougei.co.jp
取引先:
株式会社アルダイヤ工業
株式会社イケックス工業
株式会社カサイ製作所
株式会社三和スクリーン銘板
(50音順)

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